Brand Communications: -Second Edition-
どんな本?
本書の目的は広告効果の「ブランド個別性問題」を起点として、ブランド・エクイティの理論と広告効果に関する独自の研究成果を統合した「広告効果に関するブランド・エクイティ媒介仮説」の理論化である。
第Ⅰ部では、ブランド管理の本質について「ブランド・エクイティ論」を中心にその理論的な考察と、独自の日本型ブランド・エクイティ概念モデルの妥当性について実証的な比較検討が行われている。
第Ⅱ部では、ブランドのコミュニケーション効果の観点から、広告の長期的効果と短期的効果の現われかたに見られる「ブランド個別性」の原因仮説の検証とブランド管理の重要性についての考察がされている。
第Ⅲ部では、第Ⅰ部のブランド・エクイティ・モデルの検証結果と、第Ⅱ部での広告効果モデルに関する研究成果を踏まえて「ブランド・エクイティ媒介仮説モデル」の検証が行われている。
最後に、「ブランド・エクイティ媒介モデル」の概念を組み込んだ輸入車のブランド認知率と販売量の予測を行うシステム・ダイナミックスを応用したシミュレーション・システムを新たに開発して、実測値との照合によりブランド・エクイティ・モデルの有用性の検証を行っている。
The purpose of this book is to theorize the “brand equity mediation hypothesis on advertising effectiveness,” which takes the “brand individuality issue” of advertising effectiveness as its starting point and integrates brand equity theory and original research results on advertising effectiveness.
In Part I, the essence of brand management is discussed theoretically, focusing on the “brand equity theory,” and an empirical comparative study is conducted on the validity of the original Japanese brand equity conceptual model.
Part II examines the importance of brand management from the perspective of brand communication effects and examines the hypothesis of the cause of “brand individuality” in the manifestation of the long-term and short-term effects of advertising.
In Part III, the “brand equity mediation hypothesis model” is tested based on the validation results of the brand equity model in Part I and the results of the research on advertising effectiveness models in Part II.
Finally, a new simulation system applying system dynamics is developed to forecast the brand recognition rate and sales volume of imported cars incorporating the concept of the “brand equity mediation model,” and the usefulness of the brand equity model is verified by comparing the results with actual measurements.
目次
著者はどんな人?
木戸 茂(きど しげる)
現在:法政大学大学院 イノベーション・マネジメント総研 特任研究員。
学歴:
1998年 法政大学大学院社会科学研究科経営学専攻博士後期課程修了。
法政大学大学院客員教授、同志社大学大学院兼任講師、法政大学大学院イノベーション・マネジメント研究科 教授を歴任、現職。博士(経営学)。
職歴:
1970年 (株)ビデオリサーチ入社。 同社、情報開発部長、e マーケティング局長、研究開発局長、取締役マーケットリサーチ事業部長、常務取締役を歴任。
主著:
・『広告マネジメント』、朝倉書店(2004年)。
・『広告効果の科学』、日本経済新聞出版社(2009年) (著・監修)。
・『消費者行動のモデル』、朝倉書店(2014年)。
共訳:
・『グローサリー・レボリューション』、同文館(2000年)、135-158。
・『顧客資産のマネジメント』ダイヤモンド社(2002年)、159-172。
・『サービス・マーケティング入門』法政大学出版局(2005年)、259-284。
共著:
・「日本型ブランド・エクイティ概念の測定」、青木幸弘・陶山計介・中田善啓編著
『戦略的ブランド管理の展開』中央経済社(1996年)。
・「ブランド構築と広告の蓄積効果」、青木幸弘・小川孔輔・亀井昭宏・田中洋編著『最新ブランド・マネージメント体系:理論から広告戦略まで』日本経済新聞社(1997年)。
・「ブランド自由連想の分析」、中西正男編著、『消費者選択行動のニュー・ディレクションズ』関西学院大学出版会(1998年)。
・「広告調査」、『平成21年度 広告の理論と実際の総合講座』日経広告研究所(2009年)。
・「ブランド・マネージメント支援のためのベータベース構築」、青木幸弘・岸志津江・田中 洋編著『ブランド構築と広告戦略』日本経済新聞社(2000年)。